Architect Engineer's blog 建築技術者のブログ

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鉄骨をダメにする行為について(3悪) 記事No.295

特に内装・設備の会社に多し

 最近、工事進捗確認で見つけるダメな溶接にまつわる行為について記します。主に鉄骨造の建物で多く見られるので注意が必要です。特に、大規模な現場では絶対に何処かでは発生しています。

現場監督もそれを見越して現場管理をするのですが・・・

 

「結構、ありますよね」

 

 発生する原因は、一言で言うと図面または作業計画での検討不足です。ですが、「現場合わせ」と言う言葉がある通り、最後に辻褄合わせがどうしても必要なのが建築工事です。私は、いらやしい性格なのかはたまた几帳面なのか、こう言った行為を探偵の様に探し出し未然に検挙します。それが生きがいです。(冗談)

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なので、注意喚起を込めて記憶に残るよう溶接3悪として記します。

 

其1:母材溶接絶対禁止

・溶接による高温で脆性破壊する可能性あり。また、熱による性質変化が発生します。特に角形鋼管にスタッド固定のため溶接する事が多々、見られます。

 

其2:ショートビード

・40mm未満の短い溶接を言います。溶接の弱点は、初めと終わりに発生しやすいです。なので、短すぎる溶接はいけないのです。急熱急冷による母材への悪影響。

 

其3:アークストライク

・単純に火花を母材に飛ばさない。地味に母材に悪影響です。

 

 上記の考え方を持っているだけで、物事の目線が変わるかと思います。基本的な事ですが・・・。

 

 ちなみに溶接がどうしても必要な場合の対策一例として、仕上げ工事や設備工事で鉄骨を痛める可能性がある部分に鉄骨工場で捨板を溶接しておくと良い。なぜなら捨板なので構造上問題が無くなるからだ。その他、基本的な知識は日本建築学会の指針で得る方が良い!

 最後に大切な事は、躯体鉄骨に安易に溶接をしないように関係する作業員に繰り返し指示を出す事が大事です。