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建築工事に使用する材料(JIS・JAS)についてのまとめ

建築工事に使用する材料(JIS・JAS)についてのまとめ

2020.5.18更新

建築工事に使用する材料には、どういった基準があるのでしょうか?また、JISやJASが無い場合等をどうするべきか?

 世間では、高力ボルト等が品切れのようです。そこで、前回記事にもありますが使用する材料が無くなり代替品を使用する場合の要点をまとめてみました。もし、そのような状況に出くわした時に「あのサイトにあったな!」と確認して頂けると幸いです。

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 建築工事の材料について規定されているのは、建築基準法です。その他には国土交通省の建築工事標準仕様書があります。今回は、大本の基準である建築基準法から見た建築材料の基準を確認したいと思います。

1.建築材料の品質とは?

建築基準法第37条に規定されており、ポイントは下記になります。

政令で定める部分に使用する木材、鋼材、コンクリートその他の建築材料として国土交通大臣が定めるものは、指定建築材料を使用する。

・品質は、指定建築材料ごとに国土交通大臣の指定する日本工業規格(JIS)又は日本農林規格(JAS)に適合するもの。

・その他、指定建築材料ごとに国土交通大臣が定める必要な品質に関する技術的基準に適合するものであることについて国土交通大臣の認定を受けたもの

 

関連記事:JISマーク

 

2.政令で定める部分とは?

1.構造耐力上主要な部分で基礎及び主要構造部以外のもの

2.耐火構造、準耐火構造又は防火構造の構造部分で主要構造部以外のもの

3.防火設備又はこれらの部分

4.建築物の内装又は外装の部分で安全上又は防火上重要であるものとして国土交通大臣が定めるもの

5.主要構造部以外の間仕切壁、揚げ床、最下階の床、小ばり、ひさし、局部的な小階段、屋外階段、バルコニーその他これらに類する部分で防火上重要であるものとして国土交通大臣が定めるもの

6.建築設備又はその部分

 

続いて1.建築材料の品質の部分で出てきた、「指定建築材料」とは?

3.指定建築材料とはなんぞや?

建設省告示に規定されています。通称、材料告示(日々更新されています)
 建築物の基礎、主要構造部等に使用する建築材料並びにこれらの建築材料が適合すべき日本工業規格又は日本農林規格及び品質に関する技術的基準を定める件

 

建築基準法第三十七条の建築物の基礎、主要構造部その他安全上、防火上又は衛生上重要である部分に使用する建築材料で同条第一号又は第二号のいずれかに該当すべきものは、次に掲げるものとする。

一 構造用鋼材及び鋳鋼

二 高力ボルト及びボルト

三 構造用ケーブル

四 鉄筋

五 溶接材料(炭素鋼、ステンレス鋼及びアルミニウム合金材の溶接)

六 ターンバックル

七 コンクリート

八 コンクリートブロック

九 免震材料

十 木質接着成形軸材料

十一 木質複合軸材料

十ニ 木質断熱複合パネル

十三 木質接着複合パネル

十四 タッピンねじその他これに類するもの

十五 打込み鋲

十六 アルミニウム合金材

十七 トラス用機械式継手

十八 膜材料及びテント倉庫用膜材料

十九 セラミックメーソンリーユニット

 

→ 令和1年11月21日品目不足の指摘あり修正

 

4.まとめ

・指定建築材料のうち大臣が指定するものについては、それぞれが適切なJIS又はJASに適合するものと規定している。

・JIS規格品以外を使用する際は、大臣認定品でも良い。

・JIS規格外品でかつ大臣認定も取られていない海外の製品等は、試験成績書等で客観的に品質を証明できる書類を監理者に提出し承諾を得て使用の可否を確認する。

条文では、JIS規格外品(指定材料以外)を使用してはいけないとは規定されていないが、告示に規定されている指定建築材料は、最低でも一号または二号に該当するものでなければないと読み取れる。

 

5.番外編

性能評価

 新開発された材料や海外生産品された材料等を使用するには、建築基準法上難しいですが、それを利用出来るようにするルートがあります。それが、性能評価と言われている制度です。審査は、各専門家の審査及び実際に製造工場での試験立会等もあるそうです。こちらを無事パスする事で国土交通大臣から認定(構造方法等の認定)を習得できます。(大臣認定品

JIS規格の種類

 工業標準化法改正により、国よる認定から国に登録された民間の第三者機関(通称:登録認証機関)による認定を受けてJISマークを表示する方法と自社でJIS規格に適合していることを証明する「自己適合宣言」の2つの方法があります。

 

以上となります。

上記の考え方を知っているだけで普段意識しずらい材料の重要なポイントを理解出来たと思います。