人権の概念は欧米の近代社会で誕生しました。
色々な国に行くと感じる違い。中には、日本にいると絶対に体験出来ない場面に遭遇する時も、何が正解かは立場によって変わりますが、考えとなる指針をまず持つ事が大事かと思います!今回は、人権関係です。
歴史的な人権のイベントは1776年のアメリカ独立宣言や1789年のフランス革命での人権宣言です。
その中で、人間は生まれながらにして自由かつ平等、誰にも奪われない生きる権利を持ち、その権利は国籍や人種、民族、性別、社会体制などの違いに関係なく、その思想は近代社会の発展に大きな役割を果たしています。
近代社会は、土地を媒介とした主従関係(封建社会)が崩れ、王様のワンマン統治(絶対王政)の時代を経て生まれました。
理念は、自由で主体的な個人を社会の構成単位と考え、主権者である個人が、互いに契約を結ぶことで社会や国家を形作るという考えの社会契約論が生まれ、それが国家の枠組みとしての考え方です。
そして、法や制度が制定され、個人の尊重に何よりの価値が置かれてます。
近代になって個人は身分的には自由になったが、その半面、身分制という枠が取り払われ、いわば裸同然になり、統治・行政機関が担う公的領域と、市民の生活の場である私的領域が区別されました。
その上で個人には、国家権力の干渉を受けない、特定の宗教や思想を強制されない、といった自由に関する諸権利が認められるようになり、その中に経済活動の自由が認められ、個人は各自の利益を自由に追求が出来るようになりました。
有名なアダムスミスは、市場をつかさどる神の手によって公共の利益がもたらされると論じました。これが、資本主義のベースになっています。
人権問題を考える時にこの基本原則はポイントで、自分の生命、身体、財産は、他人に害を及ばさなければ、どう判断しようと、個人の勝手、他人や社会は干渉しない、つまり自己決定の権限を個人が責任を持つ。それを前提とした場合、自殺するのも、自分の肉体や臓器を売るのも自由なども良いと言う考え方、自由を最大限に容認するのを自由至上主義、リバタリアニズムなどと呼びます。そこで、出てくる新たな基本原則が哲学や宗教である。
次に続く