Architect Engineer's blog 建築技術者のブログ

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品確法改正を踏まえた全国統一指標を決定

品確法改正を踏まえた全国統一指標を決定

 公共工事の品質確保と担い手の中長期的な確保・育成を目的とし、令和元年6月に品確法の一部を改正し施行されました。

   令和2年1月に改正品確法を踏まえた運用指針の改正を行い、都道府県や市町村を含む全ての公共工事の発注者が品確法に定められた発注者としての責務を果たしていくための全国統一指標が決定されました。


・施工時期の平準化
 国・都道府県・市区町村の発注工事の稼働件数から算出した平準化率

・適正な工期設定(週休2日対象工事の実施状況)
 国・都道府県・政令市の発注工事に対する週休2日対象工事の設定割合

・ダンピング対策(低入札価格基準又は最低制限価格の設定状況)
 都道府県・市区町村の発注工事に対する低入札価格基準又は最低制限価格等の設定割合

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 資料確認すると、歩切りは根絶したようです。私も公共工事の積算をしている際に、営業からの情報を元に社内で歩切りのパーセンテージを予想していたのを懐かしく思い出しました。

 

歩切りとは

市場の変化を反映した適正な積算に基づく実際の施工に必要な工事費用を予定価格の設定段階で低く見積もることです。(慣例的な所がありました)

 

デメリット

 ・見積り能力のある健全な建設業者が排除される

・ダンピング受注の増加

・上記による工事の品質や安全水準の低下

・見習いを育てるための利益を確保できない

・下請業者や現場の職人へのしわ寄せ(特に法定福利費のカット等)

・予定価格と実勢価格が乖離し入札不調発生

 

メリット

・自治体財政の健全化

・公共事業費の削減できる

・他の工事に充てる予算の捻出が可能

・追加工事が発生した場合に議会確認をせず経ず変更契約を実施できる

・入札予定価格の漏洩を防げる(歩切りにより予定価格が変わるため)

 

 公共工事は、担い手育成の側面もあるため適切な金額で工事を行う必要があります。私が入社した頃は、ダンピングが凄く粗利0円で応札した案件が結構ありました、落札後の苦労は言わないでも分かるでしょう。こう言った時代もあったのが現実です。ですが、工事全般の適切な手続きやフローが厳格なので民間工事をやるより非常に勉強となります。特に会計検査前の書類作成は地獄でした・・・

 そんな中で数件、技術員として携わり20代前半では現場代理人まで上り詰めました。