建築工事に関連する内装制限について
内装制限を受ける建築物と居室はここだ!
- 特殊建築物
- 大規模建築物
- 火気使用室
- 無窓の居室
上記となります。内装制限の目的は、建築物の壁と天井の仕上げを不燃材料などの燃えにくい材料とし、火災時にフラッシュオーバーに至るまでの時間を出来るだけ遅らせ火災の拡大を防止する事が目的です。
ここで気になるフラッシュオーバーとは?
一言で言うと、「急激な爆発的燃焼を起こし室内全体が一瞬のうちに炎に包まれる現象」を言います。よって、フラッシュオーバーを起こさないように計画する事が重要で、それが今回の内装制限につながります。
関連して、USJのアトラクションで有名な映画バックドラフトは、フラッシュオーバーと少し似た現象です。フラッシュオーバーは、燃焼中に空気供給(酸素)があるのに対して、バックドラフトは逆に空気供給が足りず燃焼が弱くなっている所に窓が割れたりする事により外部から急激に空気供給された際に爆発する燃え方を言います。この現象によりかなりの消防隊員が殉職されているようで、大変危険な現象です。
内装制限の対象部分
居室とそこから地上までの廊下、階段の壁と天井が対象となります。内装制限の対象となる材料は、前回まとめた不燃材料・準不燃材料・難燃材料です。
居室の内装
天井と床から1.2m以上の壁に難燃材料以上。ただし、3階以上は、準不燃材料とする。
除外:幅木、廻り縁、窓枠は対象外。
特殊建築物、火気使用室、無窓の居室等の内装
準不燃材料とする。
廊下や階段の内装
準不燃材料とし、幅木、廻り縁、窓枠は対象外。避難または、特別避難階段の場合は下地も不燃化が必要。
ここで、床は何故不要かと思った人!カンが良いです。床は、室内の火災において最終段階に燃える事から火災の拡大に影響が少ないので除外されています。
これでイメージは、バッチリです。最後に適用除外についてです。内装制限は、スプリンクラー設備などの自動式消火設備を設置し、かつ排煙設置を設けた部分については適用されません。
上記は、適用する部屋により一部付加条件あり。
まとめ
建築基準法では、火災が発生しフラッシュオーバー以前に消火活動(初期消火)が出来るように内装に制限をかけています。内装の不燃化により、火災時に熱気を持った可燃性ガスの発生を防ぐ事ができ在館者の避難までの時間を稼ぐ事にも有効です。また、関連して消防法で防炎規制があり、内装制限対象外のじゅうたん、カーテン等に制限をかけダブルで初期消火時間を確保するようなルール長くとなっています。
次回は、排煙とスプリンクラー関係に触れたいと思います。以上、お疲れ様でした。