Architect Engineer's blog 建築技術者のブログ

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既存不適格建築物と不適合建築物の違いとは

既存不適格建築物は、一概に危険とは言えません。

 良くニュースや不動産サイトで見る「既存不適格建築物」というワードがあります。イメージが悪いので敬遠されますが、何が危険かを見極める事が重要ポイントとなります。評価によっては意外と良い買い物となる可能性があります。

 

 世の中には、多種多様な建物があり建築された時期により建物に関する基準がバラバラだったりします。また、建築当時の法には適合していたが、月日が経つことによ法律や条例などの改正が発生し必然的に適合しなくなります。しかし、建築基準法では原則として着工時の法律適合を要求しているため、継続使用する限りは法令の規定不適合のまま存在する事が許容されています。

 それを法律用語で既存不適格建築物といいます。一方で、建築当時に法律や条例などに適合したが、改築や増築により法律等の基準に適合しなくなった建物を既存不適合建築物といいます。

 

ポイント

既存不適格建築物

・着工時に法適合したが今は適合しない建物

既存不適合建築物

・増築や改築等を行った結果。法適合しなかった建物

 

  基準の中でも特に重要な項目が耐震性能です。建物の耐震性能が十分でないと大地震時に被害を生じる恐れがあります。安全性は、すべての建物で必要ですが義務化すると経済的な理由で改修出来ないなどの問題が生じます。そのため、公共施設に限っては安全性を確認する耐震診断を行うよう法律(耐震改修促進法)で定めています。役所のホームページ上でも確認出来ますので、興味のある方は確認して下さい。

 

 耐震診断では、構造方法により評価方法が異なりますが、建物の強度・粘り強さ・経年劣化・建物形状などから構造耐震指標Is値を算出する事で耐震性能を評価します。この際、既存不適格建築物でも耐震性能が高く評価される事があり、既存不適格建築物からといって危険な建物とは限りません。不適格でない事を証明できれば良いのです。

Is値の地震動に対して倒壊崩壊する危険性の目安

0.3未満:高い

0.3以上0.6未満:ある

0.6以上:低い

 

 耐震診断で耐震性能不足が見られた場合、耐震改修を行い建物を補強し性能を満たす事が可能な場合があります。その場合基準を満たせば、法適合建築物となります。注:耐震性能のみに関して

 

ポイント

法適合建築物になるには

・既存不適格建築物→法適合していない部分の改修

・竣工時違法建築物→法適合させるための改修工事

*既存不適格建築物は、現行法規に適合するように改修工事を行わない限り、既存不適格建築物のまま。

不適格になる要素

・耐震性能

・防火や避難に関する決まりごと

・内装制限

・採光・換気

・集団規定(面積)

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こういうレトロな建物も何かしら改修等を行なっています。その結果デザインが崩れて残念な感じとなっているものも中にはあります。