Architect Engineer's blog 建築技術者のブログ

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次世代のシーリング材 ポリイソブチレン系シーリング材

次世代のシーリング材 ポリイソブチレン系シーリング材について

シーリング業界のサラブレットか?

その名は、ポリイソブチレン

 建築現場においてガラス周りに使用するシーリング材は、誰もがシリコーン系シーリングと当たり前の常識となっていますが、今後シリコーン系からポリイソブレチン系に変わります。出始めた当初より現場でその名を聞くようになってきました。

それでは、簡単にシリコーン系シーリングの特徴から

シリコーン系シーリングの特徴

 シリコーン系シーリング材の特徴は当たり前ですが、耐久性がある為防水性能が高い。そして、固い(高モジュラス)です。しかし、高耐久性とは裏腹に経年による撥水汚染と言われる汚れが発生してしまう。この撥水汚染を簡単に説明すると、シリコーン材から経年によりシリコンオイルといわれる(暗黒)物質が出ます。そのシリコンオイルが空気中に含まれているホコリやPM2.5を吸着する事により、シーリング目地周囲が黒く汚れていき美観を悪くさせる現象を言います。

それでは、せっかく綺麗に作った建物が残念な事になります。また、このシリコンオイル清掃しても出続けます・・・

清掃⇒おはよう⇒清掃⇒おはよう

まさに、無限ループ∞の暗黒物質。

 

 

そこで、出てきたシーリング材がポリイソブチレン系シーリング材です。

ポリイソブチレン系シーリングの特徴

 シリコーン系のデメリットである、経年による目地汚染が無く建築物の美観を損ねず低汚染性と高耐久性を同時に満足する材料です。しかし、シリコーン系シーリングほどの表面のつるつる度がありません。ペタペタすると言うのでしょうか?このペタペタを業界用語でタックがあると言いますが、このタックのおかげでシリコーン系シーリング材と違い塗装を上に被せる事が出来ます。

ちなみに、ある機関が屋外暴露試験を約3年間実施し撥水汚染度を調べた結果、ポリイソブチレン系シーリングが撥水汚染防止に有用である事が分かったそうです。さらに、試験を継続し(約10年)屋外暴露試験を継続させた結果も撥水汚染防止に有用であったそうです。凄い!!

 

ポリイソブチレン系シーリング材用途

・ガラス及びサッシの目地

・カーテンウォール(金属・PCa・ガラス)の目地

・押出成形セメント板(ECP)の目地

・コンクリートの目地

ポリイソブチレン系シーリング材のメーカー

・横浜ゴム㈱:ハマタイトSC‐IB

・サンスター技研㈱:ペンギンシールIB

施工単価

・シリコーン系シーリング材とほぼ同じ!

まとめ

 シーリング材には色々な種類があります。アクリル、シリコン、変成シリコン、ウレタン、ポリサルファイドなどシーリング材の特徴はそれぞれ異なり、特徴によって使う場所や使用用途も異なる為、正しい知識が必要です。建材も日々新たな商品が開発されています。なので、最新の技術にアンテナを張っていくことが大事ですね。

 

おまけ

シーリング材の簡易接着性試験状況

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