ウイルスの消毒・除菌方法はそれぞれ所定の濃度があります
正しく知る事により、効果が無い事態にならないように勉強しましょう。自分の身を守るのは、自分自身です。
感染を防止するには
ウイルス感染は、ウイルスを含む飛沫が口、鼻や眼などの粘膜に触れることやウイルスがついた手指で口、 鼻や眼の粘膜に触れることで起こります。なので、飛沫を吸い込まないよう人との距離を確保し、マスクを着用する事が大事と言われています。特に手指のウイルスをまめに洗い流すことが大切です。また、身の回りのモノを消毒することで、手指につくウイルスを劇的に減らすことが期待できます。ドラックストアーでは、消毒や除菌の効果をうたう様々な製品が出回っていますが、目的にあった製品を正しく選び正しい方法で使用する事が大事です。
続いて皆さんが当たり前にやっている事の理由と効果の説明です。
代表的な手法の説明
水及び石鹸よる洗浄
・手洗いの後、さらに消毒液を使用する必要はありません。手や指についたウイルスの対策は、洗い流すことが最も効果があります。手や指に付着しているウイルスの数は、流水による15秒の手洗いのみで1/100に、石けんやハンドソープで10秒もみ洗いし、 流水で15秒すすぐと1万分の1に減らせます。
熱い水
・食器や箸などのウイルスは熱水で死滅させることができます。80℃で10分間さらす事が必要。
洗剤(界面活性剤)
・テーブル、ドアノブなどには、市販の家庭用洗剤の主成分である界面活性剤も一部有効です。界面活性剤は、ウイルスの膜を壊すことで無毒化する。
アルコール消毒液
・手洗いがすぐにできない状況では、アルコール消毒液が有効。濃度は70%以上95%以下が目安。エタノールを用いてしっかりとすり込む。(60% 台のエタノールによる消毒でも一定の有効性があると考えられる報告があり)アルコールは、ウイルスの膜を壊すことで無毒化します。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液(塩素系漂白剤)
・テーブル、ドアノブなどには、 市販の塩素系漂白剤の主成分である「次亜塩素酸ナトリウム」 が有効です。市販の家庭用漂白剤を、次亜塩素酸ナトリウムの濃度が0.05% になるよう薄めて使用する。清掃後、水拭きする。次亜塩素酸は酸化作用により、新型コロナウイルスを破壊し無毒化する。
・拭き掃除には、有効塩素濃度80ppm以上の次亜塩素酸水を使用し消毒したいものの表面を濡らした後、2 0秒以上おき、その後綺麗な布やペーパーで拭き取る。
★混同しやすい次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水について
・次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水は、名前が似ていますが異なる物質です。次亜塩素酸ナトリウム」は、アルカリ性で酸化作用を持ち原液で長期保存ができる。ハイターなどの塩素系漂白剤がその代表例です。
・次亜塩素酸水は、酸性で次亜塩素酸ナトリウムと比べて不安定であり、短時間で酸化させる効果がある反面、保存状態次第では時間と共に急速に効果が無くなります。
豆知識
消毒と除菌について
・消毒は、菌やウイルスを無毒化することです。薬機法に基づき、厚労大臣が品質・有効性・安全性を確認した「 医薬品・医薬部外品」の製品に記されてる。
・除菌は、菌やウイルスの数を減らすことです。「医薬品・ 医薬部外品」以外の製品に記されることが多い。
医薬品・医薬部外品の消毒剤や除菌剤であっても、 全ての菌やウイルスに効果があるわけではない。新型コロナウイルスに有効な製品は一部しかないので注意が必要。また、手指など人体に用いる場合は、品質と有効性、人体への安全性が確認された「医薬品・医薬部外品の表示があるものを使用する。
根拠となる法律:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
空気に潜むウイルス対策
良く言われる換気
・ウイルスの微粒子を室外に排出するためには、こまめに換気を行い部屋の空気を入れ換えることが必要です。室内温度が大きく上下しないよう注意し定期的な換気を行う。窓を使った換気を行う場合、風の流れができるよう、2方向の窓を、全開にする。
稀に人がいる環境に、消毒や除菌効果を謳う商品を空間噴霧して使用することは、健康影響のおそれがあることからWHOやCDCでは推奨していません。また、過剰な一部の人が消毒や除菌効果を謳う商品をマスクに噴霧し、 薬剤を吸引してしまうような状態でマスクを使用しているとの事ですがこちらもオススメは出来ません。
補足として現時点で薬機法に基づいて品質・有効性・ 安全性が確認され、空間噴霧用の消毒剤として承認が得られた医薬品・医薬部外品はありません。
緊張の中の国際線到着口