設計図面では、結構あいまい!なので見積り時から問題発生
さて、最近現場において問題となっているのが打ち放し仕上げの仕上がり程度です。何故かと言うと設計図書等で明確に記載されていないです。外部塗装前の左官工による下地調整含めて。(仕様書には無い工程)
先ずは、型枠(せき板)の種別です。規格は、JAS(日本農林規格)にあります。一時期(東北地震時)、中国製ベニヤ等出回っていましたね。
合板の原木は、広葉樹から針葉樹へと転換され、化学物質の問題からホルムアルデヒド放散量の少ない合板へと変化しています。
種類は、複数あり使用面と不使用面(仮に表面・裏面とする)の品質で種類がきまっている。まず、A種:塗装合板(パネコート)・B種:一般的な合板(普通合板)・C種、D種とあります。
例
A-A、A-B・・
B-B、B-C・・・
C-C、C-D・・・・
建築工事標準仕様書では、下記のように規程されています。
せき板の材料
せき板の材料は,特記による。特記がなければ,次による。
・コンクリート打放し仕上げの場合は,表面の仕上り程度に見合ったものとする。
・ せき板の材料として合板を用いる場合は厚さは特記による。特記がなければ,厚さ12mm とする。なお、合板に用いる樹種は,広葉樹,針葉樹又はこれらを複合したものとする。
・JAS「コンクリート型枠用合板の規格」による表面加工品
・JAS「コンクリート型枠用合板の規格」によるB-C
※日本農林規格でのA~C、表面加工品のイメージ
・ はく離剤を使用する場合は,コンクリート面に悪影響を及ぼさないものとする。
・ 型枠は,支障のない限り,再使用することができる。
打放し仕上げの種別
A種:目違い、不陸等の極めて少ない良好な面(通常、表面加工品<塗装合板、パネコート>としている設計図書が多い。本来なら上記イメージのA種合板使用)
B種:目違い、不陸の少ない良好な面とし、グラインダー掛け等により平滑に調整されたものとする。(塗装合板以外のB種合板を使用)
C種:打放しのままで、目違い払いを行ったものとする。(一、二度使用したB種合板を使用。)
これだけでは、個人の主観により明確な仕上がり程度が分かりません。
なので、別項に記載されているコンクリートの平たんさの標準値を目安として考えます。(打放しの種別とリンクしていない)
1.化粧打放しコンクリートの場合
3mにつき7mm以下(1mにつき2.3mm)
ビー玉がころがる傾斜(1mにつき5.0mm)
2.吹付仕上げの場合
3mにつき10mm以下(1mにつき3.3mm)
3.タイル張り・モルタル壁の場合
1mにつき10mm以下
それでは、「化粧じゃない打ち放し仕上げの平たんさの標準値」は、どの程度でしょうか。明確に謳われていないので、どちらかと言うと個人の主観になってきます。
また、グラインダーを当てても痕跡が残り余計汚くなってしまう。その部分だけ左官補修しても色が違い目立つ・・・
大抵の設計監理者は、国交省の建築工事標準仕様書にグラインダーで目違い払いと記載されているのでやってくれと言うのみ。教科書通りは大事だが、要求しすぎるとかえって仕上がりが汚い。(個人の主観が入ってくるが)
結果、施工会社負担で泣く泣く左官補修をする(契約外の費用発生)
「どれくらいの仕上りを意図しているのか!?」見積り依頼時から設計図書に明記して欲しいと思います。
請け負い⇒ 請負(うけまけ)よう言ったもんだ!